友達とのツーリング時に、会話を楽しみながら走ることが出来るバイク専用の『インカム』。最近ではだいぶ普及してきて、珍しくなくなりました。
日本ではB+COMとSENAの二つのブランドが人気です。皆さんはどっち派ですか?バイクのインカム選びをする上で、まずはインカムがどのようなものなのか?そしてどような便利な使い方があるのか?そしてあなたのツーリングスタイルに必要な機能とは?
B+COMとSENA、それぞれのインカムの特徴がわかればどっちがいいのか答えが見えてきます。
インカムとは、「インターコミュニケーション」(相互通信式構内電話)の略称で、ヘッドセットを使用したハンズフリーの“同時双方向通信装置”のことを言います。
“同時双方向通信”と言われても、わかりづらいですよね。普段の会話のように同時に話が出来る、ということです。
放送局や劇場など、移動するスタッフに一斉通信が必要な現場で使用されていた技術が、現在ではバイク用に転用されることでバイク専用のアイテムが続々と登場しました。
バイク用インカムは、走行中であることを想定して操作が簡単になっていたり、防水加工がされていたりと、バイクで使いやすいように改良されているので、初めての方でも簡単に使用する事が出来ます。
ひと昔のライダーにはインカムというものがなく、その代わりにハンドサインでコミュニケーションをとってきました。
ハンドサインでやってきた身としては、「インカムなんていらない」と思っていたのですが使ってみるといろいろ便利でした。そしていつのまにかフル活用しています。
特によかった!と感じているインカムのメリットをあげてみますね。
仲間とのツーリング時に、信号で分断されてしまったことがないでしょうか?バイク初心者がベテラン組のツーリングで逸れてしまった時には不安になると思います。
もしインカムがあれば、その場でやりとりできるのでどこに仲間がいるのか、どこで合流するのかなど走行中に擦り合わせることができます。
また「トイレに行きたい」「スタンドに寄りたい」などの意思疎通も、信号待ち時に大声で話さなくていいのでスマートにやりとりができます。
機種によっては、スマートフォンと連携することが出来ます。この機能が活躍するのが、ナビを使っている時です。ナビの音声案内を聞けるので、曲がるポイントを見逃すことがありません。
その他、スマートフォンに入れた音楽を聴くことも可能です。ただし、ライダーにとって音の情報は非常に重要です。音楽に集中しすぎないことにも注意が必要です。
「この景色最高だね!」とリアルタイムに感動を共有できるのもインカムのいいところの一つです。
複数人のグループトークを搭載している機種もあり、仲間内とのツーリングや、タンデムツーリングにはぜひ欲しい機能でもあります。
私はこの機能を使って、仕事の仲間との打ち合わせのフィールドをツーリングにすること多くありました。バイクで走りながらの打ち合わせは結構はかどります。無駄な会議やマンネリ化したミーティングに飽き飽きしている方には、おすすめです。
現在のバイクインカム市場は日本製のB+COM(ビーコム)と、韓国製のSENA(セナ)が代表的なインカムブランドとして知られるようになりました。
はじめてのインカム選びの場合には特に悩むと思うので、まずは二つの商品の特徴をそれぞれ見てみましょう。
前衛モデルSB6Xからさらに改善がされ、期待のハイエンドモデルです。バッテリーの稼働時間が飛躍的に伸びて1日安心して使えるようになっています。また音質もトップレベル。長距離ツーリングを好むライダーにおすすめです。B+COMの機能がフルに楽しめる間違いのない機種になっています。
正直、これだけ揃っていれば十分です。仲間との接続もできて、音楽もナビ案内も聞けて、さらにハンズフリーの機能もついている贅沢なスタンダードモデル。
上位の2モデルとの大きな違いとしては、B+LINKという最大6人までいっきに接続できる機能がないことです。B+LINKがないことのもう一つのデメリットは、圏外になってからの自動再接続機能が使えないことです。接続が途切れたら都度接続の操作が必要になります。
他のライダーとの接続はできないモデルですが、ハンズフリー通話、音楽再生ができるのでソロツーリングライダーにとって必要なものが揃っています。
「B+LINK」というシステムを搭載した機種なら、あっという間に仲間同士で接続できるのが嬉しいポイントです。この機能がある前は、仲間とペアリングするだけで結構時間をとられていました。一瞬で接続できて、距離が開きすぎて接続が切れてもまた圏内に入ると自動接続もしてくれます。
ビーコムと携帯電話のペアリングはBluetoothで行いますので、一般的なBluetooth機器のペアリング方法と同じで簡単です。ビーコム本体をペアリングモードにして、スマートフォンのブルトゥース設定画面でペアリングを行いましょう。
基本的にはそれほど難しいことはなく、簡単にヘルメットへの装着ができます。強力なテープで固定する方法と、ベースプレートを設置してそこに装着する方法があります。難しかったのは、内側に取り付けるスピーカー位置の調整でした。ヘルメットを被ったときに、ちょうど耳のところに来るように調整するために微調整を行う必要があります。
B+COMはSHOEI、Arai、KABUTOヘルメットを例に各ヘルメットごとに取り付け方ガイドを用意してくれています。
ビーコムは音質に関して特に良い評価が多いです。また、ヘルメットに着けた時に野暮ったくないスマートなデザインにも定評があります。また『日本製』ということで安心感の高いメーカーとしても選ばれています。
接続不良などの現象がときどきあるようですが、Bluetoothやペアリングを何度か繰り返すと接続されます。また必要に応じてアップデート行うと問題解決に繋がります。
ビーコムのアップデートには、パソコンが必要になりますが、一般的なパソコンの操作が出来る方ならそう難しいことはありません。公式サイトからアップデートプログラムをダウンロードして、パソコンとビーコム本体を接続してアップデートプログラムをインストールします。
SENAは韓国企業の商品です。日本では先に紹介したB+COMとこのSENAのインカムがよく比較として取り上げられています。
SENAのインカムは、独自技術のMESHという通信システムが特徴の一つで、Bluetoothが順番に接続されていくのとは異なり、複数の端末が同時に接続される仕組み。SENAはこの接続の手間を解決してくれる商品として人気があります。
途中で抜けてしまっても、自動接続され、2km範囲で人制限なしで繋がれるOPEN MESH MODE、グループで最大24人に繋がれます。
SENAはラインナップが多く、迷ってしまうので今回はこのMESH機能が搭載される機種に絞って紹介してみます。
スタンダードモデルのSPIDER ST1は、SENAの独自通信技術MESHに特化した機種です。SENA同士のMESH通信専用機といってもいいでしょう。そのため基本Bluetoothでの接続ができないものになっています。が、B+COMからユニバーサルコールという機能で呼び出せば接続可能です。
アクションカムが搭載さいたモデルです。ヘルメットにアクションカメラも、インカムも搭載すると結構重くなります。アクションカムとインカムがセットになっているという利点がこの50C QUANTUMにはあります。
音響にこだわり、なんとHarman Kardon(ハーマンカードン)のスピーカーが搭載されたモデルです。SENAのインカムではお馴染みで操作がしやすいと定評のあるジョグダイヤル式。
50Sとほぼ同じ機能です。スリムになっている分バッテリー容量が少なく連続通話時間が50Sよりもやや短めのスペックです。ジョグダイヤルではなくボタン式ですが、ヘルメットにすっきりおさめたい人向けです。
50Sはジョグダイヤル式、50Rはボタン式。50Rがスリムなデザインになっています。搭載される機能はほぼ同じですが、バッテリーの持続時間が大きく異なります。
ここに挙げたSENAの製品は、Bluetooth接続にも対応しているのでB+COMとの接続が可能です。
50シリーズには、なんとFMラジオチューナーが搭載されています。全国各地を旅して回る人には重宝する機能です。プレセット登録は10局までできます。
クランプユニットと呼ばれる部品をヘルメットに設置します。クランプユニットにインカムを装着する形にになります。
一昔前までは安価で性能はそれなりという評判だったSENAですが、インカムの接続性能を高めることで「繋がりにくさ」が解決されシェアを伸ばしています。海外製造について不安視するユーザーも居るようですが、メーカー保証と対応はしっかりしており安心して使用する事が出来るのも嬉しいポイントです。
例えば50シリーズでは、同梱されるWiFiケーブルを使ってアップデートを行います。設定を行いこのケーブルに繋いでおけばWiFiに自動的に接続した後に、ファームウェアが自動更新されるようになっています。
B+COMにない機能として、SENAは充電しながら使えるという点があります。
私はこれまでB+COMを使っていたので、SENAはまだ使用したことがありません。B+COMを選んだ理由としては、B+COMの商品ラインナップが絞られていて選びやすかったことが一つ大きなポイントです。
これまでSENAの印象は「結局どれを選べばいいのかわからない」というものでした。しかし、今回SENAの商品をじっくりリサーチしているうちに、SENAの商品力も見えてきました。
特に気になるのは50Cのカメラ付きのモデルです。GoProなどのアクションカムをヘルメットにつけることもあったのですがヘルメットが重くなるのが億劫でした。またアクションカムでなくとも、ドラレコとしても使えるように『ループ録画』機能もあります。
アクションカムとしては1時間40分の撮影が可能で、さらにSENAは充電しながら使えるというところも高く評価できます。
カメラを抜きにしても、50Sか50Rで悩みたいです。これらの機種でポイントが高いのは『Harman Kardon』が搭載されていること。音響好きは放っては置けない高音質スピーカーです。さらに『FMチューナー』搭載というポイント。これはソロツーリングを主にしているライダーには嬉しい機能ではないでしょうか。
ただ、安くはありません。もし予算ありきで仲間と通話を楽しめればそれでOK、という場合にはプレミアムスタンダードモデルのB+COM ONE、あるいは2〜3名の少人数ツーリングやタンデムがメインのライダーにはB+COM TALKで十分でしょう。
もしB+COM TALKであれば19,800円、2台でも39,600円。SENAのスタンダードモデル『SPIDER ST1』が1台で32,780円だと考えると、どうでしょうか?同じ3万円台で、2台揃ってしまう価格でB+COMはインカムを提供してくれています。
コスパ重視で機能やクオリティを高望みせず、でも安定した音質と品質が備わっている点では、B+COMという選択肢がぴったりです。
その他1万円台のインカムも複数ありますが、品質を保証してくれているこの2つのメーカーとはまだ少し距離がありそうです。
B+COMとSENAどちらも、バイクというジャンルで高品質のインカムを提供している会社です。あとは自分のバイクライフに合うかどうか、好みに合うかどうかと言う点で選んでみてください。
楽しいバイクライフを送ってもらえることを願っています。
Go Mild and Stay Gold, STAY RIDER!どうかいいバイク旅を。