もしかしたらいまあなたはハーレー購入で悩んでいるかもしれませんね。どのモデルがいいのか、新車か、いや中古で探すべきか?「新車はトラブル少なそうでいいけど高いし」「中古も安くはないけど、後々のトラブルが心配だ」
憧れの一台を手に入れる前の妄想が走り出したらもう止まりません。仕事そっちのけで一日中考えてしまいたいテーマです。
この回では、車両モデルから、選ぶときのチェックポイントまであらゆる角度からあなたにぴったりのハーレーを選んでみましょう!
新車には新車のよさが、当然、中古には中古の魅力があります。まずはそれぞれどんなメリットがあるのか見ていきましょう。
・ピカピカで気分最高
・3年間の保障サービス
・12ヶ月・24ヶ月点検、初回車検時のオイル系消耗品をカバー
・カスタム前の純粋なハーレーの乗り味を満喫
など安心感が充実しています。
安心感がある一方で「高額」ということもあり場合によっては憧れと自由を手に入れるまでに時間を要することもあります。
その点、中古車は、
・新車より安価
・新車にないカラーがある
・すでにカスタム済み
・ノスタルジーを楽しめる
など、中古でしか味わえない良さがあります。もしもカスタムをする予定があれば、新車よりも安い分カスタム費に予算を充てることもできるかもしれません。中古車を選択することはこうした自由度も与えてくれるので選択肢にぜひ入れておきたいところです。
・タイヤの劣化がある
・車検に通らないパーツ
・わからない事故歴
・隠れた消耗パーツ類
など前のオーナーの乗り方によっても状態が変わってきます。交換履歴がはっきり残っているようなしっかりしたマシンなら少しは安心できますが走行距離が多いければ多いほど消耗や故障予備軍の隠れたリスクが高まります。
ハーレー中古車の中には1万キロ前後のものが多く存在しています。通勤やコンビニに行くなど日常使いではなく、余暇の楽しみとして利用しているケースが少なくないからです。
たとえば月400kmほどしか走しれなかったオーナーの場合3年保有していたとしても14400キロの計算になります。大事に扱われていたハーレーを見つけるチャンスは以外と開かれています。状態もよく、しかも自分好みのカスタム済みの車両であれば最高です。
あなたが理想としているハーレーがどんなものなのか、もう一度確認しておきましょう!
ハーレーには大きく8つの「ファミリー」と呼ばれるモデルがあります。
①ソフテイル・ファミリー
②ダイナ・ファミリー
③ツーリング・ファミリー
④スポーツスター・ファミリー
⑤V-ROD・ファミリー
⑥ストリート・ファミリー
⑦CVO・ファミリー
⑧トライク・ファミリー
です。それぞれの特徴を見ながらあなたの理想形を選んでみてください。
1984年に登場し、ビッグツインとしてもっとも歴史が長いモデルです。ハーレー史上もっとも革新的とも言えるのが旧車の『リジッドフレーム調』のルックスです。
つまりリアサスペンションがないすっきりとした美しいスタイルに仕上がっています。昔のハーレーにはリア(後方)にサスペンションがなく乗り心地としては決してよいと言えるものではなく路面状況が露骨にライダーに伝わる状態だったので「ハード・テイル」と呼ばれました。
しかし、表からは見えないサスペンションが搭載されたことで座席下から伝わる衝撃が大きく軽減されたのでハードの逆として「ソフト・テイル」と呼ばれるようになります。
チョッパースタイルに溢れる旧車テイストでありながらも快適性を味わえるモデルです。
2000年以降のモデルには振動を抑えるバランサーと言われる装置がエンジンに搭載されました。ソフテイルの特徴は、エンジンをフレームに直接搭載する「リジッド・マウント」を採用していることです。リジッド・マウントの良さはエンジンの鼓動がよりダイレクトに楽しめること。
『ツインカムBエンジン』と呼ばれているのですがこれまでの硬い振動を抑えることに成功した反面、鼓動感が損なわれた、というファンの声もありました。ただそれもハーレーのこだわりあってのことです。ただ振動が強く出過ぎることでツーリング時の疲労の原因にもなります。
振動を軽減する手段としてフレームとエンジンの間にゴムを挟む「ラバー・マウント」を採用する手もあったはずですが、スタイル重視のソフテイルにラバーを挟むと見た目の美しさを損ないかねません。
だからこそ、エンジンにバランサーを搭載し鼓動を抑えることで美しくスタイリッシュでありながらツーリングも楽しめるモデルに仕上がっています。スタイルに偏ると乗り心地を考える余地がなるなることもありますがソフテイルは「スタイル」と「快適な乗りご心地」両方を兼ね備えたバランスのいいモデルと言えます。
時代的には、ハーレー人気がいよいよ急上昇する、という1991年に登場したモデルです。ソフテイルにないテイストがあります。
最大の特徴として、エンジンが「ラバーマウント」されたことです。
もう少し簡単に説明するとエンジンがフレームに直接触れない設計でエンジンとフレームの間にラバー(ゴム質)を介することでエンジンの振動を軽減することを目的に作られました。このシステムでよりスポートティで快適な走行を楽しめると評判になりました。
スポーティさを兼ね備えているのは1970年に登場した、FXモデルがルーツになっているからです。
なので、ダイナの品番にはFXDBダイナストリートボブ、やFXDFダイナファットボブなどFXが付いています「D」はもちろんダイナのDです。
大排気量とラバーマウントが生み出す鼓動感は他に類を見ない特別なものとなりました。
大きなウィンド・シールド、ゆったりとしたシート、荷物もたっぷり詰めこめる大容量のケース、音楽も楽しめるオーディオ付き。ハーレーのファミリーの中でもワンランク上に位置づけされアメリカのハイウェイで快適な走行を可能にしたモデルです。
歴史的には、第二次世界大戦後の道路のアスファル化が進み、高速走行性能が求められた背景があります。それまでのタイトなモデルから一新して大型のクルーザーモデルは当時としてはインパクトがありました。
1980年に本格的なクルーザーモデルとしてFLTが発表されました。ハイグレードモデルであることから当時日本でのユーザー年齢層は高く渋いイメージが定着していましたが今ではカスタムのベース車両としても幅広い層から高い人気を博しています。
ツーリンファリーはなんといっても、アメリカの大地を横断するにふさわしい作りになっています。長距離を走行するための快適性やパワーを備えているいわゆるハーレーを思わせるデザインともいえます。ロードキング、ウルトラ、ロードグライド、ストリートグライドなどのラインナップからもわかるようにすべての車種にフェアリングカウルと積載用のパニアケースが純正で装備されています。
その歴史はかなり古く、バイクレースでヨーロッパメーカーに勝つために開発されたモデルです。ハーレーファミリーの中でも最もクセがなく小型で軽量、スポーツ性能に長けたモデルと言えます。
大型バイクにデビューしたばかりのライダーにもお勧めしたいモデルです。排気量は883cc、そして1200ccのラインがあり2004年以降はエンジンはラバーマウントになりますます快適なスポーツ走行を楽しめるようになりました。
長年レースの舞台で叩き上げられて育ったスポーツスターはハーレーの歴史を感じられるものでもあります。
約100年ほど、空冷エンジンを採用してきたハーレーがついに2002年に水冷エンジン「レボリューション」を発表します。エンジンが高性能化するにつれエンジンの熱を逃がす手段としての空冷では、つまり風で冷やすだけではエンジンを十分冷やすことができなくなりました。そこで水冷式のエンジンが登場します。
四輪自動車ではほとんどすべてこの水冷式になっています。空冷エンジンがバイクに好まれていた理由は構造のシンプルさゆえの美しさがあったからです。
とは言え、スタイル命のハーレーがカッコ悪いマシンを作るわけがありません。スーパーバイクレース車両として開発されたVR1000を原型にドラッグレースで勝つために開発が進んだモデルです。
V-RODの開発には実はポルシェも協力しているのでより確かな技術の元生まれたモデルとも言えます。近未来的とも表現できる美しい流線型のフォルム。極太のリアタイヤに余すところなく伝わるハイパワー。
高品質・高性能モデルがこのV-RODファミリーです。
2015年に登場した新しいファミリーです。エンジンは、V-RODと同じ水冷。大排気量エンジンモデルが多いハーレーから750ccという街乗りサイズのファミリーです。
V-RODの弟分的な存在でハーレーファンの中には受け入れがたい、という声も寄せられましたがV-RODの魂を引き継いでいるだけあって高性能バイクであることに違いはありません。
もうひとつ際立つ特徴して新車で85万円(2016年モデル)から、というハーレーの中では最も親しみやすい価格設定になっていることです。軽量で扱いやすい、高性能ハーレーは一見物足りなさを感じるかもしれませんが十分なパワーを兼ね備えたバランスの良いマシンと言えます。実はアメリカでは500ccモデルも存在しています。
日本人のビルダーが素晴らしいカスタムを披露したのものこのストリートモデルです。
ズバリ一言で言うと、ハーレーファミリー最高峰のモデルです。というのも、ツーリング・ファミリーやソフテイル・ファミリーのベース車両に至れり尽くせりのカスタムパーツを付けてハーレーが完成させたモデルだからです。しかも、CVOの製造に当たれるのはハーレーの中でも選りすぐりのスゴ腕職人だけです。新車価格は300万円から500万円。エンジンから付随パーツまでハイクラス、さらには制作している人の技術もハイクラスのモデルです。
それを考えると格安とも言えるかもしれません。ハーレーによる贅沢カスタムだけに止まらない、オリジナル性も楽しめるのがCVOの特徴でもあります。いつかは手に入れたい憧れの一台になるのは間違いないです。
なんといっても、クルマ免許でハーレーを楽しめます。また転倒のリスクが低減するためライダーだけはなく、家族も安心できます。
大型二輪免許取得で挫折した女性ライダーでさえもこの巨体を取り回せる自由を手にいれることができるのがトライクの魅力です。
どちらも正解です。中古車市場の一般的な考え方としてノーマルであればあるほど高く評価される傾向があります。一方でカスタムがある種の文化にもなっているのがハーレーでもある点から、むしろ高く評価され高値がつくこともよくあります。
カスタム車両で懸念されるのは前オーナーの色が強く出すぎていること、またエンジンカスタムがされている場合には適切なチューニングが行われているかどうかがわからないことです。
特にマフラーが交換されている場合には、乗り味にも影響してくるので十分に吟味しておきましょう。
カスタムには時間もお金もかかります。それが新車よりも安く手に入りしかも理想のカスタムパーツ数十万円相当が揃っている、そんな車両が見つかれば願ったり叶ったりです。
カスタムされていない車両でも、ノーマルで状態のいい車両を安く購入し自分でコツコツとカスタムを楽しむ。これもまたハーレーライフの楽しみ方として味わい深い体験となるでしょう。
中古車となれば、当然消耗品パーツの交換も計算に入れておく必要があります。「え、こんなにパーツ交換!?」見積もりを見てさらにドッキリすることも考えられます。中古販売価格に、大きく上乗せとなる可能性となる重要なポイントを紹介しておきます。購入前に必ずチェックしておきましょう。
□山はまだありますか?
□経年劣化で硬化していませんか?
特にハーレーのワイドタイヤとなると前後交換となると6〜7万円と大きな出費となるので要チェックです。
□アウターチューブはキレイですか?
□インナーチューブにサビ・キズ・オイル漏れはありませんか?
保管状況や気候環境が予測できる箇所です。
□サビは出ていませんか?
走行に影響する場所です。ベアリングボールが劣化して割れているなど不具合がある場合には納車前に交換しておいてもらいましょう。
□ディスクプレーキは劣化していませんか?
□ブレーキパッドは残っていますか?
□マスターシリンダーにキズ、フルード液の漏れはありませんか?
転倒や立ち後けの形跡になっていることがあります。
□キズはありませんか?ストッパーは残っていますか?
大きな事故をしている場合にはストッパーが無くなっていることがあります。
□クラッチレバー部スイッチにキズはありせんか?
□フロントブレーキレバー部スイッチ部にキズはありませんか?
ここからも立ちゴケや転倒の歴史を予測することができます。
□オイルが漏れていませんか?
エンジンの修理やオーバーホールは高くつきます。エンジン周りにトラブルがないか自分でも確認し、お店の人にもしっかりと話を聞いておきましょう。本来ないはずのオイルの滲み・漏れは異常のサインです。
□カスタムパーツは車検対応ですか?
カスタム車両の場合には違法改造かどうかもチェックしておきましょう。車検に通らないパーツが付いている場合は、車検時に車検対応のパーツや純正パーツに戻す必要があります。車検に必要な法定費用の他に、交換パーツ、交換工賃が出費として加算されるのでカスタムパーツがある場合にはしっかりチェックしておきましょう。
ハーレーの楽しみ方としてスタイルやカスタムはもちろん『エンジンの鼓動』を楽しむ粋な文化もあります。ハーレーダビッドソンはすでに100年を超えるバイクの老舗カンパニーです。しかし、シンボルのVツインエンジンの原型は現在まで引き継がれています。その昔から高い技術があった証ともいえるでしょう。
中古車の選び方としてエンジンから選ぶというハーレー特有の粋な文化があります。風を感じるだけでなく、その時代を生きた、トルク感までも嗜めるのがハーレーの良さでもあります。ここでは大きく7つの個性的なエンジンを紹介します。
ハーレー史上最も長く製造されたエンジンです。1909年に最初のVツインエンジンが搭載されたモデルが発売され1929年にはおよそ完成されていたことになります。
ここにハーレーの凄味を感じずには入られません。OHV(オーバー・ヘッド・バルブ)エンジンとは異なり、バルブがピストンの横に配置されているのが特徴です。
シンプルな構造で壊れにくことから軍用や商用車に搭載されてきました。
ハーレー初のOHV(オーバー・ヘッド・バルブ)エンジンです。これこそハーレーのVツインエンジンをブランド化した伝説エンジンとも言えます。
当時、競合他社がマルチエンジンをリリースしていく中でハーレーは時代に流されることなくかたくなにVツインにこだわり続けました。988ccで40馬力を発揮し同排気量のサイドバルブエンジンの約2倍のパワーを得ることに成功したこのエンジンはルックスが『拳』の形に見えることから『ナックル・エンジン』と呼ばれました。
この個性的な造形美に取り憑かれる熱狂的なファンが多いエンジンです。
ナックルヘッドは素晴らしいエンジンでしたがロッカー・カバーがヘッド上を完全に覆ってはいませんでした。それによりオイル漏れが多かったのです。鋳鉄シリンダーヘッドだったことからオーバーヒートの問題も抱えていました。そこで登場したのが『パンヘッド』です。
放熱性と強度があるアルミ製シリンダーヘッドを採用しました。これにより高回転で高馬力のバイクを作ることに成功しました。ヘッド部が『鍋(Pan)』をイメージさせることから『パン・ヘッド』と呼ばれるようになりました。
ハーレーエンジンの中ではもっとも美しいとされ1960年代のチョッパーには絶妙にマッチするルックスでした。パンヘッドはナックルの問題を解決したはずでしたが油温上昇のトラブルもあり18年間という長きにわたり改善を繰り返すことで成熟したエンジンです。
1960年代に入ると
よりパワフルなバイクが求められました。道路の高速化、そして日本車も続々と高性能バイクで迫ってくる中ハーレーのツアラー市場を死守すべく登場したのがショベルヘッドです。道路が舗装されればロングで走れるバイクが要求されます。つまり耐久性が課題になったのです。
パンヘッドからの改善点として耐久性のほか、メンテンス性、構造のシンプル化、吸気の効率化など様々な改善が行われました。排気量は1200cc。1978年から1340ccにアップされ、いわゆるハーレーの『ドコドコ感』はこのショベルヘッドから顕著に感じられるようになりました。
これまでのエンジンには「◯◯ヘッド」という愛称あったようにエボリューションにも実は「ブロックヘッド」と名付けられていました。があまり一般的ではありません。エボリューションとは「進化」という意味です。
このエンジンから設計にコンピューターが採用され品質も飛躍的に向上しました。ただし、空冷OHV2バルブ45度Vツインのスタイルはやはり変わりません。これまでのエンジンと異なるのはシリンダーがアルミ製になり構造も貫通スタット・ボルトとなりクランクケースからシリンダーヘッドまでを一本のボルトで締めることでさらにエンジン全体の強度が増しました。
技術向上によりエボリューション高回転まで使えるエンジンと進化しました。
エボリューションエンジンはハーレーの特性を生かしつつ、高性能に仕上がった高品質エンジンでした。なのに、なぜ新しいエンジンを開発したのか?
ひとつの背景として排ガス規制、騒音規制という時代の流れがありました。それに対応したエンジンなので言わば『低公害・高性能・新生Vツイン』です。ダイナやツーリングモデルに搭載されているのですがその他、ソフテイルには別バージョンとして『ツインカム88Bエンジン』が搭載されました。
ソフテイルエンジンはフレームにダイレクトに固定されるスタイルのため振動を抑える必要がありバランサーが加えられました。「ハーレーの鼓動が消された!」と感じるユーザーもいたかもしれませんがこのバランサーがなければ
心地よい鼓動が得られなかった、という結果に過ぎません。
バランサーで消した振動はピストンによる「ドコドコ」ではなく高周波の「ビリビリ」という不快な振動です。スタイル、乗り味双方が損なわれない設計がなされています。
このツインカムエンジンは96、103とシリーズを重ねパワーアップの一途をたどりそしてミルウォーキーエイトの門出に繋がっていきます。
レーサーVR1000用に開発されたエンジンです。
見ての通り、レース車両として開発されたバイクです。これまでのハーレー技術者たちではなく全く違うところから集められた開発グループによって作られポルシェも開発に協力しています。これまで空冷エンジンでしたがここで水冷エンジンの登場となったのです。レース参戦目的以外に排ガス規制に対する将来的な計画の上にあったエンジンとも考えられます。
レースエンジンとして開発されたレボリューションはV-RODに搭載され弟分のSTREETモデルにも技術が応用されています。高回転までエンジンを回しても正確なレスポンス性能を発揮する高性能エンジンの誕生となりました。
主にツーリングモデルに採用されているエンジンで、V型45度の伝統的なハーレーエンジンの形状をしています。各シリンダーあたり8つのバルブが配置され吸排気の効率を高めています。ミルウォーキーはアメリカのハーレーダビッドソン本社があるウィスコンシン州のミルウォーキーにちなんだ名前になっています。
水冷エンジンとして設計された、レボリューションの後継となるエンジン。60度Vツインエンジン。ハーレーのアドベンチャーバイクモデル、パンアメリカには1252ccのエンジンが搭載されています。
ハーレーは個々人の嗜好性が強くあなたのスタイルに合ったものを探し出す必要があります。それでも、強いて言えば2004年以降、あるいは2007年以降のスポーツスター883は最初のハーレーとしても乗っておきたいマシンです。
乗りやすさ、価格、マシンのポテンシャル、総合的なバランスに非常にすぐれているモデルです。
1957年に誕生し、幾年もの歴史を重ねてきているバイクでレースを通じて改良され続けてきた言わば研究と改善で叩き上げられてきたモデルです。あらゆる問題を解決した形として2004年から、ラバーマウント・エンジンとなりスポーツ性能だけではなく、ツーリング時の快適性も向上しています。
不快な振動で役に立たなかったミラーもラバーマウント式になってからは可視性も高まりより安全な走行が可能になりました。
年式でもう一つ選択肢があるとすれば2007年以降です。キャブレーターから、インジェクションへと変わった年となります。
インジェクションになってからはコンピューター制御により冬の朝でも一発でエンジン始動ができるなど利便性が高まっています。スポーツスターを選択する時には必ず話題になるのですが883ccと1200cc、どちらがいいか!?
優劣つけがたい選択です。883ccはアメリカの税金システムにより900ccから課税率が高くなるためそのボーダーでのラインナップを作っている、というマーケティング要素説もありますが低速からの軽やかな吹け上がりやアグレッシブさは独特なテイストが生まれているのも事実です。
その意味では一般にイメージされるいわゆるハーレーらしい鼓動感とは少し違うかもしれません。重厚感のあるパンチを求めれば1200ccが良いでしょう。
外観も、そしてエンジンテイストもあらゆる角度からハーレーを楽しむには最適な車両とも言えます。
「キャブ車じゃないとバイクとは言えない」「インジェクションはつまらない」「セッティング性能はインジェクション」など先輩ライダーのいろんな声を聞いては悩んでしまいませんか?
歴代エンジンの章で紹介した通りその時代の最高の技術をもって過去の課題を解決した結果が今のエンジンです。
キャブ車もインジェクション車も双方に素晴らしい体験が待っていることは間違いありません。それぞれの仕組みや面白さを一度比べて、さらに乗って比べればいよいよあなたにぴったりのモデルが見つかるでしょう。
まずは仕組みから説明します。
キャブレターはピストンが下がる時に生じる負圧の力つまり空気を吸う力によりガソリンと空気が混ざり合うようになっています。ガソリンが噴射される量はジェットというパーツの小さな穴で調子します。
ガソリンがシリンダーに流れ込み爆破する原理はキャブ車と一緒です。大きく違うのはガソリンの噴射のされ方です。コンピューターで制御されコンピューターにより適量のガソリンが適切なタイミングで噴射されます。燃焼効率、よりクリーンな排ガスを考慮して開発された技術です。
キャブレターはガソリンの霧状に噴射されることから燃焼されやすい状態なので低回転のレスポンスが良いとされています。が、高回転になると燃料と空気のバランスにバラツキが生じるためにパワー、燃費の部分で劣ります。
インジェクションは低回転時を除き的確な噴射量、点火タイミングをコンピューターで制御するのでパワー、燃費ともに優れたパフォーマンスを発揮します。
旧車など当時の時代を感じながら乗れる楽しみがあるとすればキャブ車と言えます。コンピューター制御ではないより人間的アナログ感。吸気、噴射量、点火タイミングをすべて自分でコントロールできる、そんな楽しみがキャブ車にはあります。
もしもインジェクションを選ばない理由が、三拍子サウンドにできないから、と考えている場合にはコンピューター制御による吸排気のコントロールすればできます。
しかしながら、三拍子が本当にエンジンにとっていいのか、という疑問については必ずしも問題ないとは言い切れない部分はあります。
ハーレーの良さは、どのマシンにも宿っています。自分の選んだマシンでとことん深掘りしていけば、必ずそこには味わいがあるはずです。
最後にこの項目を知っておくとお財布とのバランスをとるのに役立ちます。購入時には最低でも大きく3つの費用項目があります。
①法定費用
②手続き代行費用
③整備費用
まず、
・自動車重量税:3,800円(車検毎)
・自賠責保険:9,180円(12か月分)/13,640円(24か月分)/18,020円(36か月分)
・消費税:100万円の車両で約10万円が消費税に。
・法定預かり費用:印紙代。陸運局への登録を代行してもらう際に必要になります。
車両登録など代行してもらう際に『販売店手数料』といった項目でかかる費用です。お店によって名称や価格が異なります。不明な場合には確認をとりましょう。名義変更やナンバープレートの取得など雑多な事務業務です。個人で行うことも可能です。
多くのお店では、安全に乗ってもらうために引き渡し前に、整備・点検を行います。車検が必要な車両は、車検費の項目となります。その他、自宅までに納車を依頼した場合の運送費、任意保険への加入料
ローンを組む場合には手数料が想定されます。
ハーレーという特別な意味合いを持つバイクを中古車で買うとなったときに、一番気になるのはメンテナンスではないでしょうか。
筆者もBuell XB9Rに乗っていた時には、とにかく修理やパーツ入手に苦労しました。ちょっとしたことでも相談できるようないいお店で購入することで、何かあった時の安心感があります。
メーカーから直接的なバックアップを受けているハーレーダビッドソンディーラーショップ、あるいは経験と技術を豊富に持ち合わせるハーレー専門のバイクショップから購入しておけば、長くハーレーライフを楽しめることになるでしょう。いいバイクが見つかることを願っています。