モーターサイクルダイヤリー

バイクに乗りたくなる書籍『善とオートバイ修理技術』

2022.1.24
Yuuki Koshiyama

善とオートバイ修理技術(上巻) :ロバート・M・パーシグ著

バイクと旅から生まれたような書籍はないかと探していたらこの本にたまたま出会いました。思想的な描写が多いのですが、著者の鋭い洞察力と表現力でわたしたちが普段無意識に感じているような疑念をも具体的な言葉で語ってくれています。

あらすじ

仲間と後ろに息子のクリスを乗せてアメリカの大地をバイクで走る。大学講師だった主人公は、失われた記憶を辿りながら旅をし徐々に記憶が呼び戻されていく。

自伝的で哲学的な小説で、バイクや旅について、そしてテクノロジーと人間の有り様について著者ロバートの考えが事細かに描写されています。

1974年に初出版となるこの書籍。今から考えると約半世紀の時を経ていることになりますが、バイクに乗る人やバイク旅に人が直感的に感じていることなどが詳細に言語化され共感できることが多くあります。

どこの出版社にも相手にされず、121人の編集者に断られましたが、いざ出版されると累計500万部のベストセラーになり当時は話題を呼んだそうです。

読者が日常で感じている決めつけや押しつけに対する疑念を著者の思想でもって後押ししてくれるようにも感じられる作品です。

当時、アメリカをはじめ多くの人に影響を与えた名著。モーターサイクリストであるか否かに関わらず、読む人の心に触れる本です。

(画像:Amazon 『善とオートバイ修理技術』ロバート・M・パーシグ著

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