憧れのバイクを手に入れたら、次に気になるのが盗難です。厄介なことに、バイクを盗むことを生業にしている窃盗団という組織が存在します。団地をフラフラと徘徊しながら、狙い目をつけて短時間で盗むのがプロです。そのプロ窃盗団が最も嫌うのは「時間がかかること」。
盗難対策は複数の方法を選んで対策することで時間を稼ぐことができます。どんな盗難防止アイテムがあるのかさっそく見ていきましょう!
窃盗団は上部組織から指定された車種・色の車両を狙うため、昼間歩き回ってターゲットを探しています。お金になるプレミアが付いているバイクや輸入車が狙われる傾向にあります。
離れたところからぱっと見て車種を特定されないよう、カバーをかけることは重要です。時にはカバーをめくったり裂いたりしても確認しますが、カバーをはがす作業が手間になるのと、はがす際にガサガサと音がでるので窃盗犯にとってはリスクになります。
風でカバーめくりあがると丸見えになってしまうので、ベルトや縛りひもでしっかり固定しましょう。シルエットがはっきり出ないよう、ゆったりサイズのものがおススメです。また、運転直後のエキパイなどに触れて溶けないよう、耐熱素材が使ってあるものが便利です。
ちなみにメーカーのロゴが大きく入ったものは、高級車がここにある!とバラしてしまうことにもなります。特定されにくいようなバイクカバーを選びましょう。
場所と予算に余裕がある人は、やはり、ガレージ内に保管するのが一番安心です。ただし、いったん中に侵入された場合には人目につきにくいため、屋外より安全にロック解錠作業をすることが可能になってしまいます。ガレージ内でも他の盗難対策をしっかり併用することが肝心です。
チェーンロックは『地球ロック』が基本ですが、中には駐車スペースに適当な柱やバーがない人もいるでしょう。そんな時は、アンカーを使って地球ロックするのがおススメです。基本はフロントもリアも両方地球ロックすることが望ましいでしょう。アンカー、そして使用するロックは丈夫なものを選び、チェーンロックする場合もフレームを通すことをおすすめします。
「最強ロック」として有名なキタコウルトラロボットアームロック。重量別で出先用と自宅用を備えておくと安心です。多くのロックは簡単に破られてしまいます。キタコのロックはその点で安心感はあります。一般的なものと比べ安くはありませんが、一つは持っておきたい基本ロックです。
感度が良いものは、強風の日などに何度も鳴ってしまうことがあります。その場合にはアラーム音のON/OFFができるものが便利です。中には感度調整ができる製品もあります。
イモビライザーとは、専用キーに埋め込めまれたICチップのIDと車両側のIDを電子的に照合させるセキュリティーシステムです。
GPSを使い、スマホやPCで愛車の位置情報を確認できるシステムです。窃盗犯にわかりづらいところに仕込んでおくのがよいでしょう。
警視庁による発表では、ある年のオートバイ盗難件数は24,304件を記録しています。幸い減少傾向にありますが、それでも今日も明日も明後日も毎日65台のバイクがどこかで盗まれている計算です。
窃盗団は、徘徊しお金になりそうな車両を見つけてはチャンスを伺い、戦略を立て、短時間で作業を終えます。バイクカバーがしてあっても夜間など人目につきにくい時間帯を利用して調査をしています。
窃盗団が窃盗に要する時間は平均5分と言われています。早い時には1分以内に駐車場からバイクが姿を消していることもあります。
油圧カッターを用いれば安価なワイヤーロックや鎖は簡単に切断されます。ハンドルロックも鉄棒でテコの原理を用いて破壊される例もあれば、前輪を取り外し、フロントフォークを台車に乗せて運搬されたケースもあります。
50cc以下のバイクや中型バイクは少年たちによる窃盗が多い傾向にあります。一方、大型の高級なバイクは組織的犯行のターゲットになりやすい傾向です。
盗難の訓練を受けた外国人が送り込まれるケースも珍しくありません。つまり窃盗スピードが養われていることを意味します。よって、窃盗の簡単そうなバイクから順に盗んでいけば犯行者としては歩合がよくなります。
もしあなたのバイクを盗むとしたら、どのような手段で下調べをし、何時に、どのような道具を、何名でいけば盗めるでしょうか?
窃盗団が警戒し、失敗のリスクを感じるセキュリティーに仕立てるには、やはり複数を組み合わせる必要がありそうです。
盗難対策を立てるときにまず第一に、目に触れさせないことが大事です。バイクカバーやガレージはその意味で大きな効果を期待できます。
つぎに、車体を運ばせないためにはどうするか?バイクは解体されパーツとして闇ルートに流れることを考えれば、地球ロックで油圧カッターでは切断されにくいロックでバイクのフレームごとくくるだけでも威圧できます。また窃盗が多い地域など不安がある場合にはロックは複数することが望ましいでしょう。
それでもやはり盗まれる時には盗まれます。指定範囲を超えて移動したらスマホから警報音で知らせてくれるGPS追跡装置は重宝するアイテムと言えます。
居住エリアや目的によって求められる組み合わせは変わってきます。窃盗団目線であなたのバイクを眺めることであらたな防犯対策が見えてくるのではないでしょうか。
「朝起きてガレージにいったらさ、俺のKawasaki Z2がないんだよ。でも今でも信じられないんだよね、俺のバイクがないってことが…」
ある仲間がそんな話をしていました。昨日まで可愛がっていたバイクが突然消える事態をだれも最初は受け入れることができません。残念ながらZ2が見つかることはありませんでした。
バイク窃盗の検挙率も10%ほどです。悲しい思いをしないためにも、バイクのセキュリティをしっかり考えておきましょうね。