バイク乗りの必須アイテム、ヘルメット。常に使うものだからこそ、ちょっとしたメンテナンスで長く使えるようにしたいものです。お気に入りのヘルメットと長く付き合うための、ヘルメットの洗い方をご紹介します。
そもそもヘルメットはどのような作りになっているのでしょうか?フルフェイスを例に説明していきます。
①シェル:外殻を指し、外部からのダメージから頭部を保護します。
②通気孔:ヘルメット内のムレを防ぎ換気が可能になります。
③シールド:顔面部に飛び込む風や塵、その他の異物や紫外線をブロック機能があります。
④ライナー:シェルとインナーの間にある衝撃吸収材です。発砲スチロールなどが使用されます。
⑤インナー:顔に直接触れる部分でクッションで覆われています。
⑥顎ひも:万が一の衝撃に備え、固定するストラップです。
その他、ヘルメットの種類によっては細かなプラスチックパーツなどが含まれます。
ここでは、フルフェイスを例にしますが、基本的な構造はどのヘルメットも同じです。主に洗浄をする部分は
この4つが基本です。それではさっそくメンテナンスを開始しましょう!
布地のもので表面の汚れを拭きとってください。空気中には意外と油分もあり、油汚れも付着してることがあります。
お湯につけて絞って拭きあげれば冷水よりも汚れが落ちやすくなります。
その際に使用するのは柔らかなマイフロファイバークロスがお勧めです。
マイクロファイバークロスは毛が長く、密度の高いものを使うようにしています。塗装面へのあたりが柔らかいため傷抑制になります。
このKIRKLANDのマイクロファイバー 36枚セットで私は常備しています。と、言うのも洗車時の拭き上げにも使えて、しかも洗車時のスポンジがわりにもなり何かと重宝しています。
ヘルメットはヘルメット用に一枚控えておくとよいでしょう。例えば、足回りなどの拭き上げに使用したクロスは、細かな砂利が含まれていることが多く傷つけてしまうことがあります。特にシールドは視界に影響するため、ヘルメットはヘルメット用にクロスを用意して丁寧に扱っておくのが吉です。
品名:TANAX ヘルメットクリーナー(100ml)
容量:100ml
ケミカルを使用することで、落ちにくい虫の付着など頑固な汚れを落とすことが可能になります。ケミカルクリーナーを使う利点としては、力まずに汚れを落とすことができる点です。
虫汚れは放っておくと乾燥により硬くなりついつい汚れ一点集中で力を入れてしまい傷を作ってしまいがちです。
100mlもあれば当分使い切ることはないので一つあると便利です。
汚れを落として、全体が綺麗になると傷がきになるものです。この傷はコンパウンドと呼ばれる研磨剤である程度目立たなくすることができます。ただし、経験から言うと失敗することもあります。
線傷などの細かな傷は、クリア層という塗装の上に塗っている透明な層が砂利などの硬いものにより削られることで溝ができます。そこに光が屈折、反射することで傷が目立ちます。
そこで傷を消す方法として、傷の溝をコンパウンドで削ることで平くするという方法があります。
コンパウンドはクリア層の傷、つまりクリア層の凹凸を微粒子の粉で削りながら平滑にしていく作用があります。
撫でるように擦り、じわじわと修復していく作業なのですが、加減がわからないうちはついつい力を入れ過ぎて局部のみの艶が強くなりすぎることもあります。
一見ピカピカに見えるのですが、実際には表面を削り薄い膜がさらに薄くなっていることを考えると、コーティング剤やワックスなどで表面の保護仕上げをしておくことをお勧めします。そうしておけば、ヘルメットのシェル全体の保護もできますからね。
コーティング剤の中には仕上がりが滑りやすい表面になるものがあります。ヘルメットを誤って落下させないように意識して扱うとよいです。
中には取り外しに力がいるものもあるかもしれませんが、各メーカーが推奨する適切な取り外し方でシールドを分離させてください。シールドはそう簡単に割れる素材ではありませんが無理に力をかけすぎないように丁寧に取り外しましょう。
特別な洗剤を用意しなくとも、家庭にある洗剤でも十分です。ただし、家庭用洗剤が洗剤力がマイルドな「中性洗剤」であることが条件になります。強力なものを使うと逆に傷めてしまうこともあります。例えば、酸性やアルカリ性が強く出るような強力な洗浄剤は使用しないようにしましょう。
心配な方は、専用ケミカルの使用をオススメします。シールドを傷めることなく洗浄し硬化した虫汚れも落としてくれます。
品名:M1 HELMET & VISOR CLEAN ヘルメット外装&バイザー用洗浄剤
容量:250ml
シールドがすっきり綺麗になると、次なる欲が出てくるはずです。「そういえば、雨の日にシールドが水を弾いてくれたらなぁ」「シールドの内側が曇って困ったなぁ」ということを思い出すのではないでしょうか。
YAHAMAの製品には、洗浄、撥水、曇り止めの3点セットもあります。チェックしてみてください。
シールド開閉を繰り返すうち、シールドパーツの摩耗・接触ヶ所が傷んでいるケースがあります。作動性に違和感を覚えるのであればシリコンオイルを軽く塗り付けておきましょう。ヘルメット購入時に付随していることもありますが、手元にない場合はプラスチック用の耐水性シリコンオイルで構いません。ホームセンターなどでも入手可能です。
誰もがよくやってしまうこととして、使用済みのクロスを使ってしまいがちです。例えば、ワックスやメンテナンス剤を噴き上げたクロスを使うと、場合によってはシェルに付着した油汚れがシールド全体に広がってしまったり、砂利を含んだクロスだと思わぬ傷がついてしまったりなどのアクシデントがあります。
こうしたアクシデントを避けるためには、シェルの洗浄やメンテナンスに使うクロスとは別のクロスを用意しておくと良いです。クロス色を分けておくのもGOODです。
中には取り外せないももがあります。その場合には、中性洗剤を含ませた布で汚れを落とす方法などありますが、肌が弱いと感じている方は注意が必要です。インナーに洗剤が残り、肌に長時間接触することで肌荒れを起こすケースがあります。
取り外したインナーを手洗いや、洗濯機で洗浄します。思いのほか、複雑な形をしているので洗濯機に入れる際にはネットに入れておきましょう。特に顔にあたる部分なので洗剤が残らないようしっかり洗浄しましょう。
発泡スチロール製ライナーは、中性洗剤の水溶液を布にしみこませ、汚れを拭き取ると良いでしょう。シェルと分離してしまうなど劣化が見られた場合には安全性に問題があると言えます。その場合には交換や新しいヘルメットを検討しましょう。
走行中にはどうしても発汗をしています。特に夏など暑いシーズンには特に汗をかきます。そのため洗浄などこまめなメンテナンスが必要です。走行毎に洗濯できるのが衛生的には望ましいですが、そういうわけにもいきません。
そこで、菌の発生を抑えるアイテムをご紹介します。
品名:YAMAHA ヘルメット消臭剤
容量:100ml
こうした除菌を行うことで、臭いの元を抑える効果が期待できます。
そして、次に紹介するのがヘルメット専用の消臭機です。
品名:DAYTONA ヘルメット消臭機 RE:MET(リメット)
夏場にはしっかり汗をかくこともあるのでおくだけで消臭、乾燥、さらにグローブの消臭乾燥にも対応しているのは嬉しい機能です。
バイクで転倒すると、やはり頭を強く打ち付けます。悲惨に削れたヘルメットを見ると、ヘルメットをかぶっていて本当によかった、と自然と感謝したくなります。
と、言うぐらいにヘルメットはライダーの命を守ってくれている重要なアイテムですので、ヘルメットはどうか大事に大事に扱ってください。
汚れと一緒に邪気を払い清めるような気持ちで、いつまでも元気に楽しくバイクに乗り続けられるおまじないとてヘルメットのメンテナンスを心がけてみてはいかがでしょう。