備考

鎌倉の隠れ案内所の飴屋から「ここいいぞ、行ったことないけど。」

さすが飴屋。行ったことのない場所でも鎌倉のことなら鼻が効くのだと、半信半疑で訪ねてきたのがここ『okashi nikaido』。

鎌倉といえば、観光客で賑わう小町通りが定番だが、二階堂という地域は鶴岡八幡宮から徒歩で約7分ほどの繁華街からは少し離れたところに位置している。

県道204号線に『岐れ路』という地名があるがそこを目印に歩いていくとわかりやすいかもしれない。

どこにあるのかと細い道を歩いていたが、どうやら一度通り過ぎたようだ。

少し引き返してみると、これだと思われる家屋がある。期待を胸に扉を開け、焼き菓子がショーケースに並べられているのを見てホッとした。

会話を交わしながら、マフィンをいくつか、そしてシリアルをお土産にして、季節の梅ジュースをテラス席でいただくことにした。

昼下がりの日差しを受け、目の前の路地を走る風と相まって梅ジュースが爽やかだ。

このお店は生菓子と一緒に販売するのではなく、焼き菓子を専門にしている。自宅でさっそく一口頬張ると、素材を感じらる軽やかな食感と自然で優しい味わいが口の中で溶けていく。記憶に乗るマフィンというのは、こういう作品を言うのだろう。

忘れられない味と、鎌倉で立ち寄る場所がまた一つ増えた。